2004年 3月18日〜21日 シアター・バビロンの流れのほとりにて
 
『黒沢美香 ソロダンス DIAMOND NIGHTS』


 いじくりまわして
 とうとうこわしてしまうまでも




―1987年〜2000年 黒沢美香ダンスの変容―
 黒沢美香を毛深く太らせた過去の貴重なソロ4作品を抜粋イッキに踊る

まじめで正直が過ぎて偏った20才代の踊り
無責任と刹那に賭ける身体40才代の踊り
今夜ワタシが踊る気になるかどうか


1999年「薔薇の人」で襟を正すも嫌味も含め意図的に<ソロダンサーデビュー>を図った。
そこに至るまでの小品がたくさんありひとつけじめをつけたかったのは事実だ。
過去にさんざん踊ったオドリをまた踊る。再演なんて言わせない。疲れるから4曲だけ。


 


-黒沢美香プロフィール-
1957年生まれ。幼少より舞踏家である両親(黒沢輝夫、下田栄子)のもとで踊りを習い始め以後20年間は数多くの受賞暦に目立つ。85年突然マイノリティーで密室であるほど深く惹かれるようになる。なにが<ダンス>か解らなくなり目眩くダンスを探して小スペースや地下を猛然と爆走、盛んに公演活動をする。99年ソロデビューと称して「薔薇の人」シリーズを開始。黒沢美香遅咲きのソロダンサー宣言となる。03年自ら黒沢美香を否定する<風間るり子>という別名で黒沢美香を偽装した活動開始。


黒沢美香による作品解説

『椅子のアリア』
園内外あちこちを廻った「船を眺める・・・」はこの椅子の踊りから始まった。
ミニマルダンスに強く憧れていた当初動き回らず狭いエリアと僅かな動きだけでダンスが満ちることに執着していた。後の黒沢美香作品に度々登場する<物>との関係、存在の忘却、見せない<ダンス>の原点はこの椅子の踊り抜きには語れない。

『ラルゴ』
短いソロを踊る時はいつもこの踊りを選ぶ。
どう踊るかどこから踊るかはそのスペースによってガラリと変わる。持ち運び自由な踊りなだけに上演回数が多いが「ラルゴ」には何度逢っても逢うのが待ち遠しく黒沢は愛着を持っている。


『クロソフスキー/アクタイオーンの水浴を覗くディアーナ』
クロソフスキーの変態性、エロス、無防備な状態は特別なことではなく自分にあるものなので疑いなくテーマとして近寄ってみた。ソロ小品としては一番最近のもの。クロソフスキーだけにマニアに溺愛される。

『ロマンチックナイト』
まだディスコと呼んでいた頃、新宿の<クロスポイント>という店が初演。それ迄ストイックに踊っていたが勢いづけに弘田三枝子化粧をお手本に顔を作り出鱈目に好きな音楽を並べてみた。単純に発熱する身体なんて、それを<ダンス>と言えるのか?という自分の疑問に自分で抵抗する。後に黒沢特有の投げ出し放って晒す身体を得るきっかけとなる。


ダンス:黒沢美香
照明:アイカワマサアキ
Public Acoustic:椎啓
舞台監督:耳鳴りの栲
チラシデザイン:村岡亜希子
イラスト:田村葉子
宣伝写真:田中英生・高橋成忠
制作:東京バビロン制作部
助成:東京都歴史文化財団
主宰:阿彌
協力:薔薇ノ人クラブ




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