江藤由紀子
 
福岡県出身、山口県在住。2006年、山口情報芸術センター(ycam)で催された山田うん振付ws参加を機に、踊りを始める。山口では「スタジオイマイチ」の立ち上げに参加し、同スタジオにて作品を発表。 http://imaichi.net/


 

 

 江藤由紀子 ソロダンス 『庭に瞼』  東京バビロン主催 ―授けられた才能 「江藤由紀子の場合」
 
 
 12月24日(水) 開場 19:00 開演 19:30
 ※ 全席自由、終演後に東京バビロン吉村の手料理とお酒をご用意致します。(カンパ制500円から)

 
 
会場:pit 北/区域 (アクセス)
 ※ 東京バビロンの劇場は2つございます。「シアター・バビロンの流れのほとりにて」ではございません。
 

 前売 1,800円 当日 2,000円
 
 
 ―お席に限りがありますのでご予約をおすすめします―
 主催:東京バビロン http://www.tokyobabylon.org
 
 


 


 
 
 『庭に瞼』 Niwa ni Mabuta
 
  いつも途中でかすれてゆく  今日も奥に向かって目を閉じる  たのしい時間のはじまり

 
 

 ダンサー江藤由紀子は、首を切り落として登場してきた。あの夭折の天才画家モジリアーニが丁度人間の両目を灰色に塗りつぶしたように、個性を剥奪することでより自分自身の深部に到るための、そのトルソー的ダンスは、昆虫や動物と同じ地平における人間存在そのものの衝迫性に迫ろうとしているともいえるだろう。そして本人はあまり意識せずにセルフ・エクスプレッションを超えた表現の領域に踏み込んでいて、その視覚性における他者性を取り込み、存在の時間化つまり存在の内側から光が差してくる可能性のある<遅延>という重要なエレメントに気づいているようだ。ダンスすることをあらかじめやめてしまったダンスがここにはあり、いままさに21世紀における<存在のダンス>が始まろうとしているのだが、踊ることをはじめて3年目にしてこの地点にいることは実に驚嘆に値する。

 ところで、いま彼女は首が生え始めてきて少し困っている、それで脱皮しようとしているようだ、これから脱皮して人間になるのか、それとも虫になるのか、あるいはそれ以外の何者になるのか、彼女も私も誰も知らない。 (岡村洋次郎・東京バビロン代表)